サワラって青魚か白身魚か?と聞かれたら答えられますか?
実はサワラって見た目が白身なものの、サバ科の回遊魚で青身魚であり赤身魚なんです。
ちょっと混乱する結論ですが、この記事では青魚/白身魚/赤身魚の違いに着目しながら詳細をまとめてみました。
また、記事の後半ではアレルギーやサワラの栄養素にも触れて行きます。
サワラって青身魚or白身魚どっち?
いきなり結論になりますが、
サワラは青魚であり赤身魚
になります。
焼き魚にしたり、西京焼きにしたりお寿司やお刺身にしたりとさまざまなレシピを楽しむことができるサワラ。
比較手ごろに手に入りやすく、主婦の強い味方ですよね。
私は完全に今までサワラは身が白いので白身魚だと思って食べていました。
しかし、まさかの青魚で赤身魚という・・・想像できない答え。
その理由としては、
サバ科の回遊魚で肉質の成分的にマグロに似ているから
なんだそう。
ま、まぁ・・・青魚と赤見魚両方の要素が入っているってことですね(;^_^A
ただそもそも青身魚、白身魚、赤身魚それぞれの定義が良く分からないので、整理してみましょう。
青身魚、白身魚、赤身魚それぞれの特徴
「青身魚とは」
青身魚は背中の色が青い色をしていることが特徴です。
青色から黒色に近い物もあり、お腹の方が白色をしています。
サバ、アジ、イワシなどが青魚に分類される代表選手です。
「白身魚とは」
筋肉部が白い魚を白身魚と言います。
淡白な味わいで身が固いものが多く、ほぐれやすく食べやすいのが特徴です。
タラ、カレイ、ヒラメなどが白身魚に分類されます。
「赤身魚とは」
筋肉部が赤い魚を赤身魚と言います。
濃厚な味わいで身が柔らかいものが多く「回遊魚」と呼ばれているんですよね。
赤身魚の筋肉には酸素を貯蔵する働きのある色素たんぱく質のミオグロビンや、酸素を運ぶ働きのある色素たんぱく質のヘモグロビンが豊富に含まれています。
マグロ、カツオ、ブリなどが赤身魚に分類されます。
サワラは青身魚+赤身魚
青身魚は見た目により分類されるものの、白身魚と赤身魚は見た目だけでは判断できないことが多いんです。
それを踏まえた上でサワラの場合なんですが・・・
- サワラは回遊魚として代表的な魚である
- サワラの身の色は白に近い
素人目には分類に混乱しますよね。
でも、生態的に考えると回遊魚ということで赤身魚に分類されるのが正解になります。
サワラは一般的に白身魚に分類されることがありますが、実は赤身魚の仲間に入るんですね。
あぁ・・・紛らわしや・・・
ということで、見た目の身の色は白いけれど、生態的には赤身魚に分類されるため、【青魚の赤身魚】という結果になるんです。
サワラのアレルギーについて
サワラは「鰆」という漢字の通り春先が旬の魚です。
旬の時期になると旨味も増して人気が出ます。
ただ一方で、サワラはとてもデリケートな魚であり、鮮度の劣化が早いことでも有名。
そんなサワラを食べて顔が痒くなってしまったり、蕁麻疹のような症状が出るケースがたま~に見受けられます。
もしそのような症状がで出てしまったら、ヒスタミンという化学物質による食中毒の可能性を疑いましょう。
サワラには「アニサキス中毒」や「ヒスタミン中毒」というアレルギー症状を起こす可能性がある魚と言われています。
より症状が重いのが「アニサキス」ですが、この「アニサキス」については別記事で触れてますので、そちらをご覧ください。
ここでは、蕁麻疹などアニキサスと比べると軽微な「ヒスタミン中毒」について取り上げます。
ヒスタミン中毒とは
食中毒を起こす原因として、ヒスチジンを含む魚が傷んでしまうことで、ヒスチジン→ヒスタミンに変換され、それを食べてしまうことで、発症してしまう症状
ヒスチジンはサワラ以外にも、マグロ、ブリ、サバ、サンマ、イワシなどにも含まれ、赤身魚に成分が多く含まれていると言われています。
このことからもサワラが赤身魚に分類されることが分かりますよね。
で、その変換されたヒスタミンを多く含む傷んだ魚を食べてしまうと次の症状が現れます。
- 紅斑性発疹
- かゆみ
- 口やのどの灼熱感
- 舌がピリピリする
- 悪心、嘔吐
- 下痢
- 頭痛
- 腹痛
- 動機
- めまい
- 結膜の充血
上記のような症状に加えて呼吸困難や血圧低下などのショック症状が出る可能性もあり・・・決して侮れないアレルギーです。
症状が出るのは魚を食べてから30分以内と早い時もあれば1時間から3時間程かかることもあります。
症状が落ち着くのは発症してから3時間から36時間以内で、ほとんどの場合は軽傷で済むことが多く12時間以内に回復する事が多いです。
重症の場合は意識不明に陥ってしまうこともありますが、死亡事例はありません。
症状が現れたのが自宅だった場合、摂取後1時間以内であれば吐くことが応急処置になるんですけど、ほとんどのケースでは症状の発症が早いので効果は薄いとのこと。
また、ヒスタミン食中毒はアレルギー反応を起こしたことがない場合でも発症する可能性があるので、中々厄介ですね。
仮に医療機関を受診した時は、症状の緩和のために抗ヒスタミン薬が投与され、下痢や嘔吐などの症状が出ている場合にはそれぞれ別途の処置となります。
そうそう!医療機関を受診する際は
- 食べた魚の部位、種類
- 食べた量
- どこで食べたか
- 症状
- 食べてからの経過時間
などを細かく伝えることが早急な対応の手助けになるので、できるだけ具体的に伝えれるようにしたいですね。(まあ実際はそんな余裕がないんでしょうけどw)
ヒスタミン食中毒を防ぐ方法
食中毒の原因はたくさんありますが、ほとんどが加熱することで防ぐことができますよね。
しかし、ヒスタミン食中毒の原因物質であるヒスタミンは加熱するだけでは破滅することができないのが厄介なところ。
ヒスタミンは30度から37度程の環境を好み増殖するので、夏場に魚を室内に放置しておくと・・・そこはヒスタミンにとって天国になります。
それを防ぐためには魚を常温で放置しないことが大切ですよ。
サワラを購入した際は
- 常温に放置せずすぐに冷蔵庫に保管する
- ヒスタミンは魚のエラや消化器官に多く存在するので、サワラのエラや内臓は購入後すぐに処理する
- 鮮度が落ちたと感じた場合は食べない(例え加熱したとてもNG)
- 加工されている状態(干物など)でも常温で保存することは避ける
- 冷凍と冷蔵の繰り返しをしない
以上のことに注意してください。
サワラに限った話ではないんですが、やはりなるべく新鮮な状態で早目に食べるようにするのが基本ですね。
サワラの栄養素まとめ
前項では、サワラの怖い食中毒アレルギーについて触れましたが、それ以上にサワラにはうれしい栄養素がとても豊富なことも忘れてはなりません。
今度はその栄養素にフォーカスしてみたいと思います。
サワラの主な栄養素の特徴は以下の6つです。
(1) DHAやEPAが豊富
生のサワラにはDHAやEPAが比較的多く含まれているんですが、青魚全体がそうですよね。
DHAやEPAには血管の柔軟性維持や血液をサラサラにする役割があり、血栓予防やガンの抑制効果の働きがあると言われています。
(2) ビタミンDが豊富
カルシウムの吸収を促進する効果のあるビタミンDの含有量が多く、骨の健康維持に役立ちます。
(3) ビタミンB12が豊富
ビタミンB12はDNAの合成や調整に深く関わっており、正常な細胞の増殖を助ける働きがあります。
(4) 良質なたんぱく質
サワラには良質なたんぱく質や鉄分が豊富に含まれています。
たんぱく質は骨や筋肉を構成し、エネルギー源となるほかに、免疫力の元となる抗体や白血球の原料としても利用されます。
(5) ビタミンB2が豊富
ビタミンB2は糖質やたんぱく質、脂質を体内でエネルギーに変えることにより疲労回復に役立つ栄養素です。
それだけでなく皮膚や粘膜の健康維持にも関わってきます。
(6) 亜鉛
皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
逆に亜鉛が不足すると、肌が荒れやすくなったり、傷の回復が遅くなるなど、免疫力の低下に繋がるので軽視できない要素です。
「サワラって青魚or白身魚どっち?」まとめ
サワラは
青魚であり赤身魚
ということでした。
見た目的には白身魚っぽいけど、回遊魚という生態系から赤身魚になるんでしたね。
昔、東京江戸川区にある葛西臨海公園の水族館で、マグロがさっそうと泳ぐ姿を見ましたが、マグロの美味しさは泳いで鍛え上げた筋肉なんだなぁ~と感動した覚えがあります。
一体、何を思って泳ぎ続けるのか・・・
いつかマグロを筆頭とした回遊魚の気持ちを聞いてみたいです。
そして記事の後半では、傷んだサワラを食べるリスクの1つである「ヒスタミン」に触れました。
サワラって美味しいし安いしで、主婦にとっては大変ありがたい食材なので、つい買い過ぎてしまったりするんですよね。
「ヒスタミン」は火に通しても滅することが難しいとのことで、魚の食中毒アレルギーをもっと真剣に考えなければなりません。
別記事で「サワラの日持ち」をテーマにしてますが、基本的には
「新鮮な内に早目に食べる&余った分は即冷凍」
を徹底して、サワラの豊富な栄養素の恩恵に預かりましょう!